診療のご案内

女性外来

排卵誘発剤

卵巣機能について

女性は、月経から次の月経までの1周期の間に、卵胞の発育、排卵、黄体形成という一連の課程を繰り返しています。これは、すべて脳にある視床下部・下垂体から分泌されるホルモンによってコントロールされています。そのうち下垂体から分泌される性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)には卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)があります。まず、卵胞刺激ホルモン(FSH)が卵巣に働いて、卵子の入っている卵胞が発育して、十分に大きくなると黄体化ホルモン(LH)が分泌され、排卵と黄体形成が起こります。下垂体から分泌される性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)は視床下部からのゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)によって調節されています。この一連の機能のどこか(視床下部、下垂体、卵巣)に異常があると、排卵障害、黄体機能不全が起こります。また、甲状腺機能障害、糖尿病、肝機能障害、腎障害、肥満、やせ、ストレスなども卵巣機能を障害します。この場合は最初にそれを治療します。
視床下部、下垂体の異常で卵巣機能が障害されている、以下のような場合は、排卵誘発剤が必要になります。

排卵がない。
月経開始から排卵までが長い。
卵胞の発育が十分でないまま排卵する。
黄体機能不全がある。

卵巣機能障害がなくても、複数の卵を排卵させて、妊娠の可能性をあげる目的で使用することもあります。

体外受精・胚移植
原因不明不妊でほかの方法で妊娠しない場合

主な排卵誘発剤

Ⅰ.クロミフェン(クロミッド)

性腺刺激ホルモンの分泌を高め、卵胞発育を促進します。月経周期の5日目(3日目)より5日間、1日1~3錠を内服します。クロミフェンにより卵胞が成熟しても排卵しない場合は黄体化ホルモン(LH)作用のある絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を注射します。さらに着床の環境を整えるために、排卵後にも1日おきに2~3回hCGを注射することもあります。また、ステロイド(プレドニン)、ドパミン作動薬(テルロンなど)、メトホルミン(メデット)などと併用することもあります。

副作用
頸管粘液が減少して、精子が子宮・卵管へ移動しにくくなることがあり、人工授精(AIH)が必要になることがあります。
子宮内膜の増殖が不良となり、着床しにくくなることがあります。
排卵後に卵巣が腫大することがあります。ごく稀に重症になり、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という状態になることがあります(ゴナドトロピン療法の説明を参照してください)。
双胎(ふた子)が約5%に起こります(自然妊娠は約1.5%)。多胎とOHSSの防止のため、多くの(4個以上)卵胞が成熟した場合は、受精を中止して妊娠を避けることがあります。
稀に、過敏症状、肝機能障害、消化器症状、霧視、頭痛、顔面紅潮、尿量増加、口渇、疲労感が起こることがあります。このような症状が出た時は、服用を中止してください。

Ⅱ.ゴナドトロピン療法

正常の排卵のメカニズムにならって、卵胞刺激ホルモンで卵胞を発育させ、黄体化ホルモンで排卵と黄体形成を起こします。卵胞刺激ホルモン作用薬に、FSH、rFSH、hMGがあり、含んでいるFSHとLHの比や、製造方法により分類されています。黄体化ホルモンに相当する薬に絨毛性ゴナドトロピン(hCG)があります。月経開始5(3~7)日目から、卵胞刺激ホルモン作用薬(FSH、rFSH、hMG)を、連日(隔日)注射を行い、卵胞が成熟したら、絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を注射します。さらに着床の環境を整えるために、排卵後にも1日おきに2~3回hCGを注射することもあります。有効で強力な治療法で、高い妊娠率が期待されますが、副作用も多くあります。

副作用
排卵後にしばしば卵巣が腫大し、安静が必要になります。時に、過度の卵巣腫大、腹水貯留、血液濃縮、尿量減少などが起こり、入院して点滴などの治療が必要になることがあります。稀に胸水が溜まったり、血栓ができたり、腫大した卵巣が捻転したりして、手術が必要になることがあります。これを卵巣過剰刺激症候群(OHSS)といいます。排卵後、徐々に進行し、妊娠しなければ1週間~10日目をピークに急速に軽快します。妊娠すると、なかなか治りにくく、重症の場合は妊娠中絶をしなければならない場合があります。排卵後は、毎日体重を測定し、水分を摂取してください。体重の増加、腹部膨満感、下腹部痛、尿量減少、吐き気、呼吸困難などの症状があれば、受診してください。
頻尿、しびれ感、頭痛、むくみ、発疹が起こることがあります。
多胎妊娠が約20%に起こります。稀に品胎(三つ子)以上になることがあります。多胎とOHSSの防止のため、多くの(4個以上)卵胞が成熟した場合は、hCGを投与しないで排卵させないことがあります。

多胎妊娠のリスクと予防について、詳しくはこちら

排卵誘発剤で、複数の卵胞が発育した場合の治療中止について

多胎妊娠防止のため、排卵誘発剤で、複数の卵胞(16 mm 以上が、4 個以上)が発育した場合、
その周期の治療(排卵、受精)を中止することがあります。

ご予約・ご相談はこちら047-322-0151リプロダクションセンターまで
  • 女性外来担当医スケジュール
  • 男性外来担当医スケジュール
  • 東京歯科大学 市川総合病院
ページの先頭へ戻る
東京歯科大学市川総合病院リプロダクションセンター/〒272-8513千葉県市川市菅野5-11-13/TEL.047-322-0151内線4300