診療のご案内

女性外来

胚凍結法

ヒト胚の凍結保存と移植について、適応(対象)、方法、成績、費用などを順に説明いたします。
また、ヒト胚の体外受精・胚移植、顕微授精・胚移植の一環として行われます。体外受精または顕微授精のページもあわせてご覧ください。なお、当センターでは、現在のところ未受精卵の凍結保存や卵巣の凍結保存は行っておりません。

体外受精-胚移植 (IVF-ET) 顕微授精(ICSI)

1. 適応(対象)

体外受精で得られた胚のうち、移植できるのは1(2)個までです。したがって、1(2)個を超える胚が得られた場合には、胚が余ります(余剰胚)。こうした余剰胚を凍結保存しておいて、その周期に妊娠しなかった場合、後の周期に移植することができます。
したがって、新鮮胚を移植して余剰胚がある場合に凍結保存の対象になります。ただし、胚が、破砕化(fragmentation)が著しい、割球の不同が著しいなど質が良好でなく、凍結・融解した場合に変性すると考えられる場合は、相談のうえ、凍結を行わない場合があります。
また、卵巣過剰刺激症候群を合併して、採卵の周期に移植することが母体にとって危険な場合や、子宮内環境の不良などで新鮮胚移植が不適当な場合は、すべての胚を保存して、その後の適切な周期に移植することもあります。

2. 方法

1
胚のステージ
採卵後2~4日目の、胚が4細胞期以降に凍結をします(当センターでは胚盤胞の凍結は、原則的に行っておりません)。
2
胚の凍結
胚の凍結方法には、緩慢凍結法とガラス化凍結法の2種類があります。当センターでは、ガラス化法で行っています。胚をそのまま凍結すると、細胞の内外に氷の結晶ができて(氷晶形成)、細胞が物理的に破壊されてしまいます。それを防ぐために耐凍剤(DMSO、エチレングリコール)の溶液に胚を浸し、胚の内部に耐凍剤を透過させます。次に胚をガラス化溶液という氷の結晶ができない液に移して、液体窒素を用いて凍結保存します。
3
胚の融解
液体窒素中より胚の入った容器を取り出し、適温で融解します。融解した胚はガラス化溶液から素早く回収して、培養液中に移します。
4
移植
自然の月経周期に移植する方法と、ホルモン剤を用いて子宮内膜を調整した周期(人工周期)に移植する方法があります。
自然周期法は、移植する周期の排卵の時期に数日間通院し、経腟超音波装置で卵胞が見えなくなることや、血中ホルモンの値から排卵の時期を確認して、凍結したときの採卵から凍結までの日数と、移植する周期の排卵から移植までの日数が同じになるように移植の日を決めます。
人工周期は、エストロゲン製剤とプロゲステロン製剤を用いて、排卵させずに子宮内膜を調整して移植します。排卵障害がある場合などに行います。

3. 保存期間

当センターの倫理委員会により凍結期間に関し以下の規定があります。

凍結期間は1年間です。1年を超えて保存する場合は、毎年、来院して更新手続きが必要です。
凍結保存や凍結保存中止の際には同意書が必要です。
凍結受精卵を残して来院されない場合は、凍結期間が終了した時点で、同意が得られなくても凍結保存を中止します。

4. 成績

当センターの解凍胚移植の妊娠率は、移植周期あたり26%(2004年)でした。日本での平均の妊娠率は移植周期あたりの23.1%でした(日本産科婦人科学会、1995年)。

5. 費用

胚の凍結保存は健康保険の対象になりません。

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6. 安全性と問題点

凍結胚による先天性異常の割合は、非凍結胚の場合と変わらないと報告されています。
耐凍剤や凍結保存によって、胚の一番外側を覆っている透明帯と呼ばれる部分が硬化することがあります。胚が孵化(hatching)して子宮に着床するのを障害する可能性があるといわれています。

7. 日本および世界における「ヒト胚の凍結保存と移植」の位置づけ

体外受精・胚移植を実施すれば余剰胚が生じる可能性がありますので、胚の凍結保存は、体外受精・胚移植を実施している多くの施設で行われています。
凍結期間に関しては、諸外国では保存期間を1~10年に限定している国もあります。日本産科婦人科学会の会告では「夫婦の婚姻継続期間内であってかつ生殖年齢をこえないこと」とされています。当センターでは前述のとおり、胚を凍結した日から1年間で、1年を超えて保存する場合は、毎年、来院して更新手続きが必要です。

8. 学会等への報告と個人情報について

胚の凍結保存を行うすべての病院は、日本産科婦人科学会に報告する義務があります。報告の内容は、胚の凍結保存の例数、妊娠例数などで、氏名などの個人情報が報告されることはありません。また、当センターのデータで研究をする場合がありますが、この場合にも、氏名などの個人情報が明らかになることはありません。

9. 天災・戦災や閉院時の対応

天災などでの胚の損傷、遺失の場合は、当該契約分の保存料の弁済により当センターの責は完了し、それ以上は免責とさせていただきます。閉院時は、その状況での最善の方策をとらせていただきます。

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