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女性外来

多胎妊娠のリスクと予防

何年も不妊で悩んだ夫婦には、多胎妊娠は魅力的でさえあるかも知れません。しかし、多胎妊娠には、母親と子供の健康・生命にかかわる深刻な問題があります。多胎妊娠のリスクと多胎妊娠を回避する対策について説明します。

1. 母体・児への医学的なリスク

多胎妊娠では、単胎妊娠に比べて、胎児と母体への危険性が高くなります。例えば

早産と低出産体重児の率が高くなります。
早産率は、単胎妊娠10%、双胎妊娠60%、品胎妊娠90%です。
双胎妊娠で子供を失うリスクは単胎妊娠の5倍です。
脳性小児麻痺のリスクは双胎妊娠で4.6倍、品胎妊娠で16.6倍です。

そのほか、多胎妊娠だけに発生したり、多胎妊娠で増加する合併症に以下のものがあります。

胎児異常、羊水異常、発育不均衡、児死亡、胎位異常、胎児ジストレス、双胎間輸血症候群一児死亡の場合の生存児の神経異常、妊娠高血圧症候群、陣痛異常、弛緩出血など。

上記のように、多胎妊娠は単胎妊娠よりハイリスクです。もちろん、多胎妊娠でも元気な子供に恵まれる夫婦もいますが、元気な子供を持つという目標を台無しにしてしまう可能性が単胎妊娠よりも高いです。

2. 家庭への負荷

多胎妊娠は、家庭に対しても、体力的、精神的、経済的な負荷が増大します。

① 体力的負担

  • どうやって全員にミルクをあげる?
  • 入浴はどうする?
  • どのように外出させる?
  • 子供が交互に起きたら母親はいつ休む?
  • 家でも外でも24時間休みない仕事。
  • 特に2人(以上)の子供と外出できるまでには日数が必要で、それまで行動が制限される。

② 経済的負担

  • 子供が同じ大きさで、お下がりを着せられない。
  • ベビーベッド、カーシートなども2つ必要。
  • もっと座席の多い車、もっと部屋の多い家が必要。

③ 精神的負担

単胎妊娠でも、妊娠・出産は、期待と同時に心配を伴うのは当然です。
しかし、多胎妊娠では、以下のような不安・心配が増え、精神的な負担になることが報告されています。

  • 子供は、未熟児で生まれるかもしれない。
  • 子供の何人かは、健康上の問題を抱えるかもしれない。
  • 子供の何人かは生存できないかもしれない。
  • 突然増えた家族に適応できない。
  • 罪悪感、フラストレーション、落ち込み。

3. 産科・新生児科への負荷

母親が、早産予防(例えば、双胎妊娠では数カ月以上の入院が必要になることがあります)や合併症のための長期入院や、緊急の手術が必要などで、患者さまと病院に負荷がかかります。
なにより、早産で生まれた体重の少ない子供は、呼吸・栄養などの全身管理が必要になります。低出産体重児や具合の悪い子供を管理するユニット(NICU)が、全国的に不足しています。
当センターにはNICUがなく、多胎妊娠(双胎以上)の妊娠中の管理・分娩はできません。

4. 対策

不妊治療に伴う多胎妊娠を防止するために、下記の対策がとられています。

体外受精・胚移植では、移植する胚の数を原則1個にするように、日本産科婦人科学会からの会告が出されています。
排卵誘発剤を使った治療では、4個以上の卵が発育している時には、治療(排卵、受精)を中止することが推奨されています。
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